6月5日(木)

・パーソナライズ(まだ市民権を得た語ではない気がするけど)、つまりは大衆一般よりも、他でもない「あなた」個人に対して語りかけることが今は大事だとインターネットビジネスの世界では言われているのだけど、これは最近流行った娯楽やサービスを観察しても的を射ているように感じる。一昔前は大きいメディアが大衆一般に向けて発信する「大きい娯楽」をみんなで受信して、その大きなものをみんなで共有しているという意識に価値を感じる人が多かったのだけど(流行の先端を追ってるオレ、カッコいい的な)、今は逆にそういう一般・全体に向けて発信されてる娯楽にはあんまりピクリとこなくて、私、俺、個人だけに向けて発信される娯楽・メッセージに価値を感じる人が増えている。よく捉えればカテゴリ依存からの離脱・個人化、悪く捉えれば自我肥大。その辺りが顕著なのが、不特定多数の全体に向けて発信されているTVを見る時間が減ってきて、その人個人に向けて発信されるメッセージやコメントを読むmixiをやっている時間が増えているなんて現象ではないかと思う。あとゲームが双方向化したり、ボイスチャットが付いたりするのも同じ方向のニーズの変化と共に発展してきた感じ。昔はゲームクリエイターが全体に発信した娯楽をユーザーは受けとるだけだったのが、今はプレイしながらチャットでなりアクションでなり、画面の向こう側にいる個人が、プレイヤーである私個人に向けて発信するメッセージを受けとりながらじゃないと満足できなくなってきたというか。この方向性、一周回って、結局は自分個人を特に重要だと思って話しかけてくれる、友だちや恋人、奥さんや旦那さん、家族とコミュニケーションをしている時間が何よりの娯楽だよねと、その辺りに戻ってくる気がする。その萌芽が、出世・成功して全体にメッセージを発信できる権威側に回ろうとする人よりも、家族や友人との時間を大切にしたいです的なライフスタイルを構築しようとする人が増え始めている辺りにあるんじゃないかなぁ。
・リン・A・ロビンソン著、本田健さん訳の『人生のすべてを決める鋭い「直感力」』読了。面白かったです。直感といっても曖昧であてにならないものではなく、自分が経験してきたデータが、論理思考の辺りを吹っ飛ばして一つのシグナルを発しているものと捉えられるから、直感に敏感になっていると時には論理思考や段階的な思考プロセスを経る過程を吹っ飛ばして正しい解答が得られるというようなお話。そりゃそーだ。好き!これやりたい。こっちの方向に行けば自分は楽しそう!みたいなのはまさに直感で、僕もそういうのには従うようにしています。冷静に、いや、そんなことをやってもお金にもならないし大したメリットはないんじゃ?みたいな論理思考が働いても、「だってやりたいんだもん」という直感的衝動の方がそれを凌駕することが多い。そして、そういう時はたいていやって良かったと後から思います。などなど、そういう話を解説しながら、じゃあどうやったら直感が磨かれるかというトレーニング的な部分も書いてある本。お勧め。本田健さん訳のビジネス系や自己啓発系は僕的にピクリとくるものが多いです。
人生のすべてを決める鋭い「直感力」―問題解決の“最強のツール”が身につく本!