ブログネタ
在宅介護生活 に参加中!
 和月伸宏氏の『るろうに剣心』はシロクマさんの青春時代のバイブル的な漫画なのだけど、本日新古書店でさっそく売りに出されてた完全版の1巻をパラりと立ち読みする機会にめぐまれた。

 第1話をはじめカラーページが完全再現されてるだけでファンとしてはクラクラものの一品なんだけど、改めて読んでも第1話は痺れる。

 「いいじゃない 誰にだって語りたくない過去の一つや二つあっておかしくないわ あなただってそうでしょ?だから流浪人してるんじゃないの?」(神谷薫)

 の薫の台詞と、クライマックスの剣心の、

 「剣は凶器 剣術は殺人術 どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実 薫殿の言ってる事は一度も己の手を汚した事がない者が言う 甘っちょろい戯れ言でござるよ」

 「けれども拙者はそんな真実よりも 薫殿の言う甘っちょろい戯れ言の方が好きでござるよ 願わくば これからの世はその戯れ言が真実になってもらいたいでござるな」(緋村剣心)


 とで、剣心→薫方向での心情と、薫→剣心方向での心情が実に上手く描かれているのだ。最終的には二人は夫婦になるエンドなのだけど、第1話にして、お互いの言葉に何かしらお互いに救われていたという、最終話の風景を予感させるような仕込みが素地として描かれていたことになる。シロクマさんは薫よりも恵さんの方が好きだが、ここは、恵さんが最後に引いたように、剣心の伴侶としては薫を推さねばならない所だ。

 それにしても第1話の剣心の台詞は良い。この第1話はシロクマさんが子供だった頃タイムリーにジャンプで掲載された時、本当10回くらい読んだ。

 今なら、シロクマさんはこんな言葉に思いを馳せる。

 「『明るく楽しい介護』なんて、そんなものは実際に苦渋を飲み込みながら頭を抱えて介護をやったことのない者が言う甘っちょろい戯れ言でござるよ」

 と。

 だけどシロクマさんは剣心イズムに影響を受けて育ったシロクマなので、やっぱりその後にこう続けるだろう。

 「けれどもシロクマさんはそんな真実よりも 薫殿の言う甘っちょろい戯れ言の方が好きでござるよ 願わくば これからの世はその戯れ言が真実になってもらいたいでござるな」

 と。

 第1話にして、綺麗事、甘っちょろい戯れ言、と、後に剣心自身がくらうことになるカウンターの思想を剣心自身が口にしてるのが切ない。

 それでも逆刃刀に託して綺麗事と甘っちょろい戯れ言を貫き続ける剣心にやはり心打たれるものなので、僕もこの先カウンターとなる斉藤が出てこようが志々雄が出てこようが、前向きに頑張ってみようと思う。

 「……君の心の弱々しい迷いと裏腹に 君の手は強く握りしめて離さない………大事なものを失って…身も心も疲れ果て…けれどそれでも決して捨てることが出来ない想いがあるならば 誰が何と言おうとそれこそが君だけの唯一の真実――真実の――…」(第二百二十四幕『真実』)

るろうに剣心 1 完全版―明治剣客浪漫譚 (1)